タチウオ用トレブルフックを自作する第二弾!
トレブルフックの自作という、面倒なことを考えた理由
今回タチウオ用トレブルフックを自作しようを思ったきっかけは、今まで愛用していた、ヴァンフックのサーベルフッカー(TH-11)が自分の釣り方には微妙に合わないのではと感じるようになったためです。
具体的な事象としては、サーベルフッカーのLサイズであっても4本針をそのまま丸ごと咥えられてしまい、結果ちゃんとフッキングできず船べりでフックアウトしてしまうことが多発し、それは指4本以上で特にその傾向が強くなったことです。
おそらく今まで自分がやっていた、単なるワンピッチの釣り方から、狙って誘いを入れるイレギュラーのワンピッチになったことや、セミロングジグを使いフォールの釣りにウエイトを置き始めたことで、喰わせて掛けるトレブルより、ジグの胴を咥えたタチウオをフッキングとともにジグをスライドさせてタチウオテンヤのように外掛けさせる必要が出てきているのではないかというのが、自身の考察です。
そんな中で、市販品でイメージに近いものとなると、DAIWA鏡牙の鏡牙フックSSかジャッカルのアンチョビ太刀魚フックですが、いかんせんコストが・・・。タチウオジギングでは、良いものを惜しげもなく投入する他のジギングとは異なり、基本的にはロストを考えた上でのコストメリットをどこまで見るかが大切です(そうしないと長続きしないです)ですので、ここはちゃんと考える必要があります。
価格
アンチョビ太刀魚フック Lサイズ 650円/4本(1本単価 162円)
DAIWA 鏡牙フックSS 3/0 トレブル 570円/2本(1本単価 285円)
DAIWA 鏡牙フックSS 3/0 クアトロ 620円/2本(1本単価 310円)
ヴァンフック サーベルフッカー Lサイズ 600円/4本(1本単価 150円)
正直、財布にやさしくありません。
基本コンセプト
筆者が今考えるトレブルフックは、
1)3本針であること(今は推論なので、はまったら後日説明します。)
2)強度を保ちつつ、できるだけ細軸であること
3)バランスの取れる範囲で大きい事
4)その上でコストメリットが出せるかどうか?
です。
材料選定
素材の針は決めております。過去記事でもさんざん使っているマルトの今回は両掛ではなく、鮎掛鉤の一本鉤を使おうと考えております。理由としては、両掛鉤のフロントアシストでの強度と刺さりの良さを実感しているからです。また今回平耳を使うことでトレブルを作った際に形の崩れが少なくなるのではと考えて決めました。
この鉤を使って作るトレブルフックの理想の形は、下の写真のようなフグのカットウ針でしょうか?
これは、以前作ったガマカツのカットウ針で作ったアシストですが、このカットウ針の形を参考にしたいと思います。フグを掛けることに特化しているフックがトレブルでよいのならタチウオもよいでしょう!
またトレブルのがクアトロよりもフッキング時のパワーが入りやすいですし。(あ・・・。まぁそれだけでもないのでいいか・・・)
試作品の製作
まずは、試作品を作るために準備です。一本針をトレブルにするにはフリーハンドでは無理なので、今回は硬質スポンジを使います。カインズで98円で買ってきました。フグカットウならこんなサイズいらないと思いますが、今回の20号で作るにはある程度のサイズが必要です。
スリットを入れた各箇所に鮎針を差し込んで調整し、頭出しをします。
軽くセキ糸で結び数回巻き込み形をざっくりと合わせます。
今回はサンプル作成なので、芯にはワイロンを使用しています。写真を撮り忘れましたが、ちょうど切れ目の真ん中を裏側から通るようにキリで穴をあけてあるので、後ろから通しております。
ある程度巻き込んで安定したら硬質スポンジから外してさらに強く巻き込みます。ここでずれてしまうことがありますが、その際には指でしごいて治ります。しっかり巻き込めたら真ん中に通したワイロンを止まるまで引っ張ります。
その後、懐側を2本づつ八の字に巻き込みを3セット行い、固定します。
わかりにくいですが、巻き込んだことでしっかり固定できております。ここまでしたら、ワイロンをペンチで引っ張りエイトノットした部分でしっかりとまるようにして、アロンアルファで固めます。
まぁ、サンプルなので、強度が保てれば見た目は後回しです。
アロンアルファで補強し乾いた状態になったら、ワイロンの頭にスリーブ(LPステンレスクリップSS)を通します。
通したら、スプリットリング#4を通します。
スプリットリングが締め付けれらて自由度がなくならないように注意して、専用器具でかしめます。
かしめるとワイロンが抜けることはありません。後は、残ったワイロンを切断します。
本来なら試作品なので完成ということろですが、ちょっとセキ糸の巻き込みが雑だったのとアロンアルファも雑だったので、熱収縮チューブを付けます。本来であればインザストリームの青い熱収縮チューブを使うと一体感が出るのですが、スプリットを付けた後だったので黒の熱収縮チューブにしました。(後々考えるとスプリットリングなので抜けばよかっただけでした・・・朝の4時半にこんなことしていたら思考回路が鈍いですね・・・)
鮎掛針で作るトレブル試作品の完成
出来上がった試作品の鮎掛針(一本針)のトレブルフックの出来上がりです。比較しているのは、ヴァンフックのサーベルフッカー Lサイズです。
フックセットの感じを見るために、鏡牙セミロング160gと合わせてみました。少し大きめのトレブルは、F5以上を狙うには非常に有効になると思っております。
また、フックポイントもちょうどスプリットリングに向かっており、鮎掛針特有の刺さりの良さと懐の深さが良い釣果をもたらすのではと思われます。
試作品なので見た目が悪いですが、これで思った通りの気持ち良いフッキングができるのであれば、溶接式でしっかり作りたいと思います。
試作2本目の出来具合
1本目でそれなりの感触を得たので、2本目も製作しました。実質3分くらいで1本のトレブルフックを作れそうです。
2個目は、青いチューブで製作しました。それによりセキ糸の青がうまくかくれ非常に一体感のある出来になりました。
別段精密にバランスをとったわけではないですが、しっかり等分になっております。やはり懐で八の字にタイイングするのは良いようです。
これぐらいの出来であれば、実用に耐えれるのではと思われますが、いかがでしょう?
強度テストがまだなので、最終的には実釣に耐えられる程度なのか、やはりハンダで固定したほうがいいのかの確認を行いたいと思います。
2018年11月某日 幸導丸にてテストしてきましたが非常に良かったですよ!!この後は、プロトタイプ第二弾としてはんだ付けをしたいと思います。タイイングしたのとはんだ付けのどちらが合うのかはやってみないとわかりませんが、強度は増すはずと思います。(現状でも強度的な不安はないという結果になりましたが・・・)
乞うご期待!!